![MQLプログラミング言語の専門書籍(本)を紹介するよ!]()
MQLプログラミング言語の専門書籍(本)を紹介するよ!
「決めた!俺もMQLプログラミング言語を学ぶぞ!」
先日MQLプログラミングがあなたの”老後”を豊かにする真の理由とは?という記事をアップしました。FXトレーダー(BOトレーダー)にとって、MQL言語を習得してオリジナルインジケーターやEAを自作することこそが、老後の最高の趣味(創作行為)であることをお伝えしましたよね。
「よし、俺もMQLプログラミングを学ぶぞ!」と決心してくれたなら、時間をかけて記事を書いた”甲斐”があるのですが、いかがでしたでしょうか?
ところで、MQL言語を学ぶと決めた時に、肝心なことは「どのようにして学ぶか?」ですよね。大抵の人は、専門書の購入から始めるのではないでしょうか?AmazonにはMQL言語習得に特化した書籍がいくつかあります。
【注意】本で学ぶことを推奨しているわけではありません…
MQL書籍を紹介する前にお伝えしておきたいのですが、書籍でMQL言語を学ぶこと推奨しているわけではありません。むしろ、書籍に頼った学習は挫折する可能性を大いに高めます。効率的な学習法については、あらためて記事にする予定です。
あくまでも、MQL言語の書籍にはこんなものがあるよ…という情報としてお伝えしているだけということを理解しておいてください。まあ、どうしても専門書を読んでみたいと思う方は、以下に挙げた本の中からピックアップして一読されてみてはいかがでしょうか。
MQLプログラミング言語の専門書籍(本)を紹介するよ!
今回の記事では、国内で市販されているMQLプログラミング言語の書籍をまとめて紹介します。残念ながら、専門書の数はそれほど多くありません。そして古い書籍も存在するため、おすすめできる本は限られています。
刊行日が新しい書籍を優先して買うべき理由
以下のMQL言語解説書一覧では、各書籍を刊行日の新しい順に並べています。MQLの技術書は、できるだけ刊行日の新しい書籍を読むことをおすすめします。なぜなら古い書籍は情報そのものが古くなっている可能性があるからです。
過去と現在ではコード記述のスタイル(MQL言語の書式など)が若干異なっていたりするので、学習時に混乱しないためにも比較的新しい解説書を優先的に購入することをおすすめします。
『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』
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豊嶋 久道(著)・2019年11月15日出版
【Kindle版】500円(Kindle Unlimited会員は無料)
著者は、豊嶋久道氏。日本におけるMQL言語の第一人者です。これまでに多くのMQL専門書を執筆していますが、本書籍がその最新作(2019年11月15日刊行)です。
ただし、本書籍はMQLプログラミングの入門書ではありません。MQL言語の基礎をマスターした人向けの、EA(自動売買)開発に特化した解説書です。つまり中級者向けです。
MQL言語をゼロから学びたいならば、まずは同じ著者(豊嶋久道氏)が執筆した『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』を先に読むことをおすすめします。『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』の続編ですね。
また、3番目に挙げた『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』の改訂版が本書という位置づけですのでご注意ください。
前作『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』は、著者が自作したライブラリ関数とMQL言語の関数を使ってEAをプログラミングする方法が解説されているのですが、本書はそのライブラリ関数をMQL5に対応させて書き直したものです。
MQL言語初心者(プログラミング初心者)は、絶対に買ってはいけません。
『プログラミング初心者でも書けるMetaTrader5プログラミング: インディケータ編』
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三浦大(著)・2018年2月13日出版
【Kindle版】1,350円(Kindle Unlimited会員は無料)
プログラミング初心者向けと謳った解説書。最新のMQL5に対応した点は意欲的なのですが、自主出版であるがゆえ解説は冗長でわかりずらく、読み進めるにあたって苦痛を伴います。ざっと目を通して、MQL言語によるインジケーター作成のアウトラインを理解するくらいでしたら役立ちそうです。
本書よりは『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』のほうが、まだ理解しやすいという印象です。
『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』
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豊嶋 久道(著)・2017年3月13日出版
【Kindle版】500円(Kindle Unlimited会員は無料)
まず、本書籍は『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』の古いバージョンであるので注意が必要です。タイトルにあるとおり、著者(豊嶋久道氏)が自作したライブラリ関数とMQL言語の関数を使って、オリジナルEAをプログラミングする方法を解説しています。
EA開発に特化した書籍ですので、当然MQL言語初心者向けではありませんし、EA開発書を購入するならば本書の改訂版である『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』を購入することをおすすめします。
MQL言語初心者(プログラミング初心者)は、絶対に買ってはいけません。
『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』
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豊嶋 久道(著)・2015年11月1日出版
【Kindle版】900円(Kindle Unlimited会員は無料)
本当の意味での、MQL言語入門書がこちら。MQL言語を極めた豊嶋久道氏による初心者向け解説書です。
初心者向けとはいえ、まったくの初心者が本書を読んでも、途中からついていけなくなって挫折してしまう可能性が極めて高いです。結局プログラミングをわかっていない人の「つまずくところ」が、著者はわかっていないのですね。説明が大雑把だったり(これくらい理解できるよね?)みたいな読者を試すような書き方をされていたりと、初心者からすれば不親切さを感じさせる内容です。
他のプログラミング言語を多少なりとも学習したことのあるユーザーであれば、とっつきやすいのですが、完全な初心者は途中から「突き放されたような感覚」に陥ります。手とり足取りの丁寧な解説を期待して手に取ると、間違いなく失望・落胆します。
『メタトレーダーではじめるFXシステムトレードプログラミング ~オリジナルEA開発からバックテストまで徹底解説~』
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豊嶋 久道(著)・2014年12月27日出版
【Kindle版】3,000円
【単行本】5,538円
EA開発に特化した解説書。初心者向けとは言い難い比較的高度な内容です。買わなくてOK。
『とあるMT4(システムトレーダー)の検証記録(ロジックテスト)』
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fui(著)・2014年1月14日出版
【Kindle版】1,250円(Kindle Unlimited会員は無料)
解説書ではありません。タイトルにある通り、プログラマーによる自作EAの検証記録(バックテスト)ですね。初心者向けに書かれた本でもありません。
『FXメタトレーダー4&5 一挙両得プログラミング』
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豊嶋 久道(著)・2013年11月11日出版
【Kindle版】2,200円
【単行本】3,080円
MT4からMT5への移行期に合わせて執筆された解説書です。MT5になってなにが変わったのか?変わっていない部分はどこなのか?そのあたりに焦点を合わせた内容となっています。刊行日が古いため、残念ながら情報のアップデートができていません。また、やや難解な解説書ですので、初心者は買う必要はありません。
『FXメタトレーダー4 MQLプログラミング (ウィザードブックシリーズ)』
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アンドリュー・R・ヤング(著)・2013年7月15日出版
【Kindle版】1,782円
【単行本】3,080円
海外MQL専門書の翻訳本です。ある程度プログラミングに習熟している人向けですので、初心者は買ってはいけません。刊行日は古いので、当然情報も古いままです。
『FXメタトレーダー実践プログラミング (現代の錬金術師シリーズ)』
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豊嶋 久道(著)・2009年10月16日出版
【Kindle版】1,782円
【単行本】3,080円
10年以上も前のMQL言語本なので、もはや解説書としては賞味期限切れという印象です。プログラミング経験者をターゲットにしたかのような解説なので、初心者は完全に蚊帳の外です。
『iCustom(アイカスタム)で変幻自在のメタトレーダー (Modern Alchemists Series)』
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ウエストビレッジインベストメント株式会社(著)・2011年9月16日出版
【Kindle版】2,310円
【単行本】3,080円
iCustom関数を活用したEA作成に特化した解説書。iCustom関数とは特定のインジケーターから値を取得するために使用する関数です。インジケーターのシグナルをEA化する際に使う便利な機能のひとつです。残念ながら、刊行日が古くbuild600以降のMQL4のフォーマットに対応していないため、今読むとかえって混乱する恐れもあります。まあ、買わなくても良いでしょう。
『MetaTrader4逆引きハンドブック』
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FXPG(著)・2010年9月16日出版
【単行本】7,029円
すでに廃刊された書籍であるにも関わらず、なぜか人気の高い解説書。中古本市場で高値(5000円〜7000円)で取引されてます。逆引き辞典(リファレンス書)のような構成であるため、参考書としての使い勝手が高いのが人気の理由かもしれません。ただ、同じ内容はネットで最新の情報を調べられるので、わざわざ買う必要も感じません。ただ、紙媒体の参考書として常に手元で参照したい方にとっては便利な本かもしれません。
当然、初心者向けではありません。
『FXメタトレーダー入門 現代の錬金術師シリーズ』
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豊嶋 久道(著)・2007年12月7日出版
【Kindle版】1,782円
【単行本】3,080円
刊行日が古く情報も古いため、購入する必要はありません。同じ著者の『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』を買えば十分です。
この機会にKindle Unlimitedに入会しよう!
ご覧の通り、Kindle Unlimitedで無料で購読できる本が多いことがわかりますよね。Kindle UnlimitedはAmazonの読み放題サービスです。月額980円で、対象となる本が読み放題なのですね。今はやりのサブスクリプション(定額サービス)の一つです。
とりあえず1冊に絞るならば『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』一択だ
さて、おすすめするMQL解説書をとりあえず一冊に絞るならば、『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』一択です。
刊行日は、2015年11月1日と古めですが、build600以降のMQL4のフォーマットに対応しており、現時点で最新のMQL言語を学ぶことができる唯一の書籍です。Kindle版のみで単行本(紙の書籍)はありません。ただKindle版だからこそ定期的に内容が改定されていて、比較的最新の情報を入手できるという利点があります。
- 2015年11月3日 初版発行
- 2016年12月29日 MT4 Build 1031対応
- 2018年3月19日 MT4 Build 1090対応
著者は、MQL言語第一人者と言われる豊嶋久道氏。ざっくりとMQL言語のアウトラインを学ぶには適した書籍です。
ただし…他の言語を学んだことのある人にとってはとっつきやすいのですが、はじめてプログラミング言語に触れる人にとっては、かなりハードルは高いと思います。理解力うんぬんの前に、解説がかなり不親切なんですね。
熟練した技術者が執筆した本なので、「初心者が理解できない部分」が著者にはわからないのでしょうね。この点は残念です。ですので、プログラミング初心者がこの本のみでMQL言語をマスターすることは、非常に困難です。
読解力に自信のある初心者、ざっくりとアウトラインを知っておきたい初心者、そして他のプログラミング言語をある程度経験のある人向けの書籍です。
まとめ:書籍による学習はあまりおすすめできない
国内で購入できるMQL解説書をざっくりと紹介しました。
何度も述べますが、既存の書籍による学習は非常にハードルが高く、挫折してしまう恐れがあります。もう少し初心者向けの親切丁寧な解説書があれば良いのですが、現時点では残念ながら存在しません。
むしろ、MQL言語のベースとなる「C言語」関連の入門書を読み漁ったほうがよっぽど習熟スピードが早まるはず。結局のところ、既存のプログラミング言語を習得した者が、その延長線上で学んでいくことを前提としている解説書ばかりなのですね。
だからといって専門書を読むことがまったくの無駄ということではありません。書籍は、MQL言語の全体像(アウトライン)を把握するためには役立ちます。一冊の入門書をざっくりと読んでおけばOKです。
ある程度のアウトラインを理解したら、その後は、どんどん実践していくこおをおすすめします。実践=プログラミングを書く、です。
次回以降、そのあたりの学習のススメ方について詳しく解説していきますね。