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「仮想通貨を5000万円分無料配布します」はデジタルカレンシー(DCM)への巧みな誘導だった
あなたに忍び寄る”仮想通貨ビジネス”の実態
本日は、仮想通貨ビジネスがどのようにしてあなたを勧誘するのか?具体的に解説します。最初のアプローチはたいていメール(迷惑メール等)です。メールボックスに届いた1通の怪しげなオファーをご覧ください。
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一体いつになったら5000万円分の仮想通貨をもらえるのでしょうか。気の短い人ならば怒りますよ。
ラスボス登場、その正体は”デジタルカレンシー”
さて、URLをクリックするとようやくラスボス(本丸)が正体を表します。その正体とは…デジタルカレンシー株式会社です。
一応お伝えしますが、今すぐ5000万円分の仮想通貨を受け取ることなどできませんでした(…当たり前ですが)。デジタルカレンシー株式会社の公式LINEへ誘導するための巧みな仕掛けだったわけです。
「今すぐ5000万円の仮想通貨を受け取る」と仕掛けたのはアフィリエイターの独自判断なのか、それともデジタルカレンシーが指示したのか、それは不明です。
デジタルカレンシー株式会社とは?
ところでデジタルカレンシー株式会社とはいったいどのような会社なのでしょうか?公式サイトがこちら。
代表取締役社長は、松田智という人物です。実はこの人物こそ、FX情報商材業界で多くの商材を販売してきた「FX孔明」氏です。もっと前は「EURO MACHINE(ユーロマシーン)」などと名乗っていました。FX孔明氏の過去については以下をご覧ください。
為替鬼氏とFX孔明氏
為替鬼コピートレード「鬼式」の販売会社は、株式会社MFGです。過去には、
- FX孔明オートトレードシステム
- FX孔明トレンドハイ
- FX孔明スタビリティシステム
などのFX商材を販売しています。FX孔明氏も為替鬼氏も、興味深いウワサがあります。長くトレードをしている人は、聞いたことのある内容だと思います。
トレーダーズマーケットhttp://tradersmarket.jp/という、シグナル配信サービスがあります。FX孔明氏も為替鬼氏も、そこでシグナル配信をしていました。当時は、FX孔明という名前ではなく「EURO MACHINE(ユーロマシーン)」という名前でしたね。
以下の画像が、当時の彼らの紹介記事です。
為替鬼の経歴
下の画像はEURO MACHINE氏(現在のFX孔明)です。
ユーロマシーン(FX孔明)の経歴
成績不振で脱退した二人
お二人とも鳴り物入りでの参加でしたが、結局大きな負けを喫してしてしまい、成績不振を理由に短期間で脱退となりました。トレードの内容ですが、EURO MACHINE(FX孔明)は、約2ヶ月間でのトレード結果が▲4813pipsです。
為替鬼氏は、5日間のトレード結果が▲1637pipsです。以下の表は、為替鬼氏のトレード実績です。
為替鬼の売買実績(トレーダーズマーケットより) |
エントリー日 |
通貨ペア |
収益pips |
取引の状態 |
5月22日 |
GBP/JPY |
-202.6 |
終了 |
5月22日 |
GBP/JPY |
47.2 |
終了 |
5月21日 |
GBP/USD |
-200.0 |
終了 |
5月21日 |
GBP/JPY |
-200.0 |
終了 |
5月20日 |
GBP/JPY |
8.2 |
終了 |
5月20日 |
GBP/USD |
-200.8 |
終了 |
5月18日 |
GBP/JPY |
-200.7 |
終了 |
5月18日 |
GBP/JPY |
38.3 |
終了 |
5月12日 |
USD/JPY |
-160.6 |
終了 |
5月12日 |
USD/JPY |
-177.6 |
終了 |
5月12日 |
USD/JPY |
-186.4 |
終了 |
5月12日 |
USD/JPY |
-202.6 |
終了 |
トータル収益 |
マイナス 1637.6 pips |
為替鬼の成績は、実質5日間で、3勝9敗(トレード別)▲1637.6Pipsです。1日平均で300Pips以上の負けです。
当時(2009年5月頃)は、トレーダーズマーケットに専属のトレーダーが8名在籍していました。そしてこのうち成績不振により、2名が脱退しています。その2名が為替鬼とFX孔明(EURO MACHINE)です。
以下の文章は、トレーダーズマーケット主催の株式会社 NEXT ONEから各ユーザーに送信されたメールの抜粋です。2009年6月です。
この度、6月1日付で、Traders Market トレーダー為替鬼氏に「トレーダー」から一時脱退していただくことが決まりました。
ユーザーの皆様には、ご連絡が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。
脱退の理由につきましては、ただ単に成績が悪いと言う理由だけではなく(海外のプロトレーダーでも一年のうちに2,3か月はマイナスの月は出します。また、不調トレーダーの反対売買ができるリバース機能なども追加する予定です。単月の成績のみでは判断いたしません。)
為替鬼氏はTraders Market ユーザー様に対し誤解を招くようなブログを掲載していたことなども理由の一つになっております。
(中略)
為替鬼氏は、実際の運用成績と連載ブログの内容において、お客様やユーザー様に誤解される内容を連載されておりました。その点におきましては、弊社NEXTONEの監督責任を感じております。
改めてお詫び申し上げます。
株式会社 NEXT ONE 代表取締役 塙 亮太
引用:「トレーダーズマーケット」お知らせメール
こちらは、FX孔明(ユーロマシーン)の脱退に関するメールです。
この度、6月15日付でTradersMarket所属トレーダー「ユーロマシーン」氏に、脱退していただくこととなりました。
先日、一時脱退して頂いた為替鬼氏に引き続き、トレーダーの脱退という残念なお知らせをしなくてはならないのは、弊社としましても痛恨の極みでございます。
しかし、私どもが最優先すべき存在は、トレーダーではなく購入して下さったユーザーの方々です。
従って、「優秀なトレーダーを売り買いする市場」としてのルールに則り、参入と離脱のルールを徹底していかなくてはなりません。
今回、ユーロマシーン氏の脱退の理由としましては、氏のトレードスタイルが一般投資家の投資スタイルとは相容れないとの判断に達したからであります。
(中略)
また、本システムにより、自身の詳細トレードが、衆人環視になる環境の中での異質のプレッシャーを克服できていないとも判断いたしました。
そこで、月中ではありますが、ユーザーの皆様の利益を第一に考え、ユーロマシーン氏の解雇を決定いたしました。
株式会社 NEXT ONE 代表取締役 塙 亮太
引用:「トレーダーズマーケット」お知らせメール
FX孔明氏と為替鬼氏の脱退(というかクビ)理由は、成績不振ということですね。
FX孔明氏の経歴
EURO MACHINE(ユーロマシーン)は、その後、今までのニックネームを変更して、FX孔明と名乗るようになりました。FX孔明(ユーロマシーン)の経歴は、元大手外資系トップトレーダーとのことです。FX孔明氏の経歴については、以下の雑誌でも検証されています。
引用:為替鬼コピートレード「鬼式」 【検証とレビュー】
ユーロマシーンことFX孔明こと「松田智」氏がデジタルカレンシー株式会社の代表取締役社長であることは、非常に興味深いですね。
デジタルカレンシー株式会社の主要事業は仮想通貨のマイニングです。そしてデジタルカレンシーが独自に発行している仮想通貨がDCM(デジタルカレンシーマイニングコイン)です。DCMは、マイニング事業による収益の一部をトークンの自己購入に充当させることで価格上昇を狙うという独特なシステムを有しています。
マルチ的な(紹介するとボーナスがもらえる)販売手法によって、仮想通貨ユーチューバーやその他仮想通貨ブロガー等がこぞって紹介してきたコインです。2018年11月の上場を目指していたようですが、残念ながら未だ達成できていません。
デジタルカレンシーやDCMに関しては、ネットを探しても大半がポジティブな情報ばかりです。ボーナス狙いの多くのアフィリエイターが紹介記事や動画をアップしていることが原因と思われます。
そこで、あえて本記事ではデジタルカレンシーに関するネガティブな情報をお届けしておきます。是非参考にしてください。
フィリピン公認仮想通貨開発提携をフィリピン政府が”否定”
過去にデジタルカレンシーがフィリピン政府公認の仮想通貨PGCの開発と提携したなどという話が飛び交っていましたが、2018年3月にフィリピン政府(日本大使館)が正式に否定しています。
通知
これは、フィリピン中央銀行(BSP)をとおしてフィリピン政府が発行・管理すると称されている仮想通過、フィリピングローバルコイン(PGC)と、デジタルカレンシー株式会社がフィリピン上院と提携を結んだと主張しているベネフィットクレジットコイン(BCC)について、インターネット上で広まっている情報に関するものです。
日本の市民の皆さまからの問い合わせに応え、当大使館は関係するフィリピン政府当局に解明を求めました。
フィリピン中央銀行(BSP)は、デジタルカレンシー株式会社との合意締結を否定するとともに、フィリピン政府のPGC/BCC発行も否定しています。
同様に、フィリピン上院は、デジタルカレンシー株式会社との提携の存在を全面的に否定し、そのような投機的事業への上院の関与に関するすべての主張を強く非難しています。2017年11月にピメンテル上院議長と会合を行なったとする当該会社代表らの写真は、上院議長への表敬訪問の記念写真でしかありません。
フィリピン証券取引委員会(SEC)は、デジタルカレンシー株式会社は、法人としても共同経営会社としてもSECには登録されていないとの勧告を出しました。このデジタルカレンシー株式会社は、SECより必要なライセンスや許可を取得しておらず、一般市民から投資勧誘する権限はありません。
引用:フィリピン共和国大使館公式サイト
フィリピン上院議員も”否定”
さらに…フィリピンの上院議長である「Aquilino “Koko” Pimentel III」氏は、デジタルカレンシー株式会社の人物と礼儀的に会ったことを認めましたが、その会合の写真を使われ、デジタルカレンシーがPGCの開発提携をしたと話したことを全面的に否定し警告を発しています。その際の記事がこちら。
Koko warns against cryptocurrency scam using his name
Senate President Aquilino “Koko” Pimentel III on Monday, Jan. 29, hit a new cryptocurrency racket that uses his name and that of the Senate to attract victims.
Digital Currency Co. Ltd (DCC) claimed that it has partnered with the Senate of the Philippines for the release of a virtual currency called the Philippine Global Coin (PGC), using pictures of the Senate chief to buttress its claims.
“There is no partnership between me and DCC, or the Senate and DCC. I met with these people as a matter of courtesy to visitors. I am shocked at their bold claims of an agreement between us using pictures that politicians normally have with visitors,” Pimentel said in a statement.
Pimentel explained that the Senate cannot issue currency as it is the mandate of the Bangko Sentral ng Pilipinas. The lawmaker said he is concerned that DCC might target OFWs, putting their hard-earned savings at risk.
He said, “I ask our OFWs to be wary of those who use the names of government officials and institutions in investment schemes. The government will never engage in activities that will profit off their sacrifices and hard work. Always check with the Philippine Embassy to verify individual claims of this nature.”
引用:NEWSBYTES PHILIPPINES
ざっくりと翻訳すると、以下の通り。
koko氏は彼の名前を使った暗号通貨詐欺に対して”警告”
デジタルカレンシーはPGC(フィリピングローバルコイン)の公開について、上院議長(koko氏)の写真を使用したうえでフィリピン上院議員と提携したことを公表したが、上院議長(koko氏)は、「デジタルカレンシーとの提携はありません。デジタルカレンシーとは訪問時に儀礼的に会っただけで、その時の写真を使って合意したなどと主張したことにショックを受けている」との述べた。
デジタルカレンシーの役員(松田智氏ほか)がフィリピン上院議長を表敬訪問した際の写真を使い、あたかもPGC開発の提携をした(承認をもらった)かのような公表をしたことに対し、上院議長はショックを受けたと伝えているのです。
フィリピン上院議長がショックを受けたとされる内容とは、デジタルカレンシーの社長である松田智氏が自身のFacebookに掲載した投稿記事(と写真)のことのようです。以下のFacebook画像はTwitterからの出典です。
投稿内の「フィリピンの上院議員、ピメンテル氏にもフィリピングローバルコインの承認を頂けました。」というのは松田氏の「早とちり」だったということです。
DCMとデジタルカレンシーの今後の展開に注目
お金のニオイを嗅ぎつけたアフィリエイターやブロガーがしきりにDCMを紹介するというフェーズはすでに一段落していたと思ったら、まだまださまざまな手口で勧誘が続いていたわけです。
ふとしたメールやネット上の記事から巧みに誘導され、気づいたらいつのまにかDMCを買っていた…今回はそんなあなたにアナウンスの意味も込めて記事にしてみました。
今後、DCMとそれを発行するデジタルカレンシーがどのような展開をみせるか注意して見ていきたいですね。